医師が臨床現場で抱いたクリニカルクエスチョンをリサーチクエスチョンへと進化させて、各種の大規模医療データベースを用いた臨床疫学研究を実施しています。
データベースとしては、急性期病院由来のDPCデータベース、各種疾患登録(レジストリ)、健保組合由来の診療報酬請求情報(レセプト)データベースや全国調剤薬局由来の調剤データベースのみならず、全国の急性期、慢性期を網羅した医療機関の電子カルテ(EMR)由来の診療情報データベース(RWDデータベース)を構築し、研究に活用しています。全く新しい概念の臨床研究に踏み出していきたい、また分析手法を身につけたい医師の方々をお待ちしています。
さらに、人間がどのように病気になっていくのか、どのように予防できるかという根源的な問いに答えるべく、全国自治体と連携して、乳幼児健診や学校健診のデータベースを構築し、ライフコースデータとしてデジタルコホートを用いた研究も実施しています。とくに小児科や産科の医師、あるいは予防医療に関心のある方には、全く新しい新世代の研究リソースを提供できます。
単施設での医療情報の整備、運用、評価にとどまらず、また古典的な治験のデータ分析にとどまらず、多くの医療機関由来の大規模な医療系データベースを構築することや、その運用、分析を行っていくためには、プログラミングのみならず、疫学の知識は欠かせません。当教室での豊潤なリソースを用いて、ぜひ顕著な人材へとキャリアパスを進められてください。
薬剤師のミッションはもはや古典的、機械的な調剤業務のみではありません。薬剤は治療の根幹をなしており、エビデンスの源泉となる臨床データベースを整備・構築し、それらを用いた研究を通じて、薬剤の使用動向や効果、安全性などについて検討し、薬剤の適正使用を推進していくことは、次世代の薬剤師にまさに求められることです。われわれは、当該分野のリーダーとなる方々への質の高い教育を行っています。また、製薬企業等で勤務されている方々の社会人学生の受け入れ実績も多数あり、学位取得による多様なキャリアアップを支援しています。
博士(医学)4年制、博士(社会健康医学)3年制、専門職学位(MPH:Master of Public Health、社会健康医学修士)2年制、医師向け臨床研究者養成コース(MCR)による専門職学位(MPH)1年制の各コース
専門職学位課程は7月中旬出願、博士課程は9月下旬出願です。
詳細は京都大学大学院医学研究科ホームページhttp://www.med.kyoto-u.ac.jp/apply/entrance_examination/で公開しています。